「突然の指名」はなぜ避けるのか?
研修中に、「はい、では〇〇さん、これわかりますか?」という突然の指名。
よく見かける光景ですよね。
あまりに慣れ親しんでいるので、この方法に疑問を持たない人も多いようです。
ですが、ボブ・パイクの『参加者主体』の手法では、この突然の指名は、しません。
と言うと、多くの場合、とても驚かれます。
その後、よく聞かれるのが、
「理解しているかどうかを確認したいときは、ではどうすれば良いのですか?」
「眠くならない緊張感を保つ効果があると思うんですが・・・」
特定の、その○○さんの一人の理解度合、習得度合いを、
全員の前で今確認する必要性があるのであれば、その指名は理にかなっているかもしれません。
ですが、ほとんどの場合、特定の方の理解を確認したいというより、全体の、ではないでしょうか?
その一人が答えられたとしても、他の人の理解確認はできないわけですし。
そして、全員の前で確認する必要性は、あまりないのではないでしょうか?
全体の理解度を確認したいのであれば、全員を巻き込む必要がありますよね。
全員に問いかけ、答えてもらい、どれくらいの正解率かを何らかの方法で測るということになります。
また、思い出してほしい、ということであっても、
ペアや少人数で確認するなどして、全員を巻き込んだ方が、目的を達成できます。
眠くならない工夫・・・ それは全く別の目的ですので、全く別のアプローチが良いですね。
そもそも退屈しない組み立て、工夫が必要なわけで・・・
指名して答えてもらう、ということを行うことで、
「参加型」の研修を行っていると誤解している方がまだまだ多いようで、残念です。
「全員」が「自主的」に「参画」する・・・・ それが『参加者主体』。
もっともっと多くの方に知っていただきたいという思いを新たにする今日この頃です。
この記事へのコメントはありません。