「ロールモデル」の意義
ロールモデル。日本語では「お手本」。
組織の中にロールモデルが存在するかどうか。
上に立っている人が、良いロールモデルになっているかどうか。
とても重要なことなのですが、皆さんの組織ではいかがでしょうか。
時々思うのですが、
例えば、素晴らしいサッカーの選手・試合を見たことがない人に、
映像教材を使わずに、素晴らしい選手になることを指導するのって、難しそうですよね。
個人のスキルは教えられたとしても、
試合の中でどう動くかというのを、映像なしに果たして教えられるものなんでしょうか。
研修も同じような側面がありますよね。
個人で完結するスキルは教えやすい。
講師が研修会場でお手本を示すことができることも教えられる。
ですが、コンテキストの中でどう動くか、を研修会場で再現するのは難しい。
例えば、私の主な研修テーマである講師スキル、プレゼンテーションスキル、ファシリテーションスキル、や、
コーチングスキル、ビジネスコミュニケーションなどは、
講師がお手本を見せることもできますし、研修会場の中で再現しやすいと思います。
ですが、例えば、チームワーク、リーダーシップ、などは、
他の人との関わりの中で、つまりコンテキストの中でどう発揮するかが重要で、
それを研修会場でお手本を見せることも、再現することもなかなか難しいですよね。
なので、知識として学んで実践は職場に戻ってから、となったり、
ケーススタディやスキル練習(ロールプレイ)などを行うことになることが多いかと思います。
でも、見たことがないものを習得するのは、とても難しいと思うのです。
サッカーを見たことがない人がサッカーを習得するのは多分難しいだろう・・というのと同じで。
そこで大切になってくるのが、職場にロールモデルが存在すること、なんですよね。
研修の場で語られることが、実在の人物として職場にいたら、
参加している人は何をどう実践すれば良いかが、イメージできるのです。
今年のASTDのカンファレンスで、リーダーシップの権威である
Zenger & Folkman のFolkman氏のセッションでも、
「ダメな上司の一番の理由は、ロールモデルになっていないこと」だとおっしゃっていました。
お手本になっていない、あるいはもっと困るのが、悪い見本になってしまっている・・・
いろいろな組織で、様々な課題をお聞きして、それに対する解決策のご提案をする中で、
この「ロールモデル」についてとても悩ましいケースもあります。
ロールモデルが存在しない中で、研修だけ実施しても、あまり効果は期待できないんですよね。
今も一つ、どこから手を付けようかなぁと思案中で・・・
というので今日はそんなテーマで書いてみました。
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