フィードバックは正直に
以前にもフィードバックに関して書いたことはありますが、
今日は、つい最近あった出来事から感じたことを書きます。
ある上司が部下に対して、何かアイデアを提案して、と言いました。
その部下は、課題について考え、
「XXXをしてはいかがでしょうか?」
と提案しました。
その「XXX」は、その部下の得意分野です。
その上司は、
「うーん、今はXXXではないんじゃないかな。何か他のアイデアはない?」と答えました。
その上司の本音は、
「XXXが部下の得意分野であることはよく理解してる。
けれども、現状を考えると、XXXがベストな提案ではないと思う。
得意分野だから、やりたい、提案したい、という気持ちはわからなくないけれど、
自分のなじみのあることや強みだけに頼るのではなく、
現状を客観的に分析して、新しい切り口で提案してほしい」
でした。
ですが、上記の言葉を聞いた部下の解釈は、
「今は違う、ということは、実は今はあまり変化を求めていないのかもしれない。
新しいことを提案して、と言いながら、実は新しいことを求めていない?」
というものでした。
たまたま、同じように提案したことに対して乗り気ではない返事が来たことが2-3件あったので、なおさらそう感じたようでした。
その後、上司は「新しい切り口の提案」を期待していましたが、
部下は「どうせ提案しても変化や新しいことには後ろ向きかも」
と、お互いにズレが生じている状態が続きました。
このズレがどこで生じたかは明確ですね。
提案の内容が、上司が期待するレベル、クオリティに達していない、
というフィードバックは、部下には伝わっていませんでした。
フィードバックは、相手を傷つけない表現にすることは大切ですが、
かと言って、本質を包み隠してしまっては、意図が伝わりません。
傷つけない配慮のつもりが、部下にとっての成長のサポートにならない上に、
お互いの信頼関係を損ねる結果にもなりかねない事例です。
成長をサポートするための本気のフィードバック、実践していきましょう!
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