信念とパッション
あるクライアントで、
その組織のトップの方が社員の方に向けてプレゼンテーションする
機会に陪席させていただきました。
内容は、とてもシビアな内容です。
業績が思わしくなく、これからこんなことやあんなことをしなければいけない、と。
私は、組織開発の立場から、
今後この組織がより強くなっていくためのサポートをするので、
これからの計画に生かすために、
そのプレゼンを社員の方がどう受け止めるのかを拝見しに行きました。
そのリーダーの方は、
普段から社員の皆さんから信頼されている方です。
とても話しかけやすい雰囲気ですので、
社員の方も気さくに話しかけている様子です。
そんな、普段は明るい雰囲気のリーダーなのですが、
その日の様子は違ったようです。
厳しい表情で業績、現状を伝え、
今後何をすべきかを熱く語っていらっしゃいました。
力強く、時おり、本当に気持ちがこもって、声が高ぶるような感じも受けるくらいでした。
決して、「これをやれば解決できる!」という答えが見えているわけではありません。
「進む方向はこっち、みんなに協力してもらいたい!」
という方針のプレゼンテーションです。
後に、社員の方々に感想をお聞きする機会があったのですが、
皆さん、とても危機感を持って受け止めていらっしゃいました。
リーダーが本気であることが伝わり、
自分たちも行動を起こさなければいけない、と、
前向きに受け止めていらっしゃいました。
内容としては、本当にシビアな内容なのですが、
外的要因や「会社」「経営者」のせいにしたり、
自分の利益のことだけを考えるような発言は聞かれませんでした。
自分にも何かできるかもしれない、何かしたい、と、
数十名の方が自発的にプロジェクトチームに手を挙げてくださいました。
もともとの信頼関係ができていなかったり、
リーダーが信念を持って、パッションを持って伝えることができなければ、
きっとまったく違った反応だったに違いありません。
リーダーは、信念を持って、パッションを持って、伝えることが大切。
それを実践しているリーダーには、
組織は理解を示し、同じ方向に向かって進んでくれる。
そのパワーを身をもって実感しました。
この組織はきっと変われる、と確信もしました。
そして、こんな素晴らしいリーダーシップを持った人材を
輩出する組織を作るためには何が必要だろうか、と、
いろいろ思いを巡らせています。
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