参加者心理
昨日、ある研修で、休み時間に参加者のAさんがこんなことをおっしゃっていました。
「いやぁ、私、今朝すごく緊張していたんですよ。」
「緊張、ですか?」と、私。
「はい、昨年受けた研修のフォローアップってことだったんで、
昨年の内容を覚えてなくて怒られるんじゃないかとか、
身についていないことをぐいぐい突っ込まれたり、
習ったことを実践できてないことが、周りの参加者の前で露呈されるんじゃないか、とか・・・
(笑いながら)今日は優しくしてくださって助かりました~」
・・・・・ なるほど!
研修に参加する側にも、オープニングの際に緊張感があることは、認識していました。
おもしろいかな?
役に立つかな?
退屈じゃないかな?
当てられたりしたら、嫌だな。
みんなの前でロールプレイとか、嫌だな。
他の参加者のレベルについて行けるかな。
(参加者同士が顔見知りではない場合)どんな人が来ているのかな。
などなど・・・。
だからこそ、オープニングがとても大切!!で、
ボブ・パイクの『参加者主体』の研修手法では、
オープニングの内容をかなり重視しているのです。
昨日のその方のコメントからの「なるほど!!」は、
「フォローアップ」という言葉が何を伝えているか、でした。
主催するこちらとしては、
*前回の研修の応用編、実践編
*新しい知識やスキルを多く学んでいただくというより、ブラッシュアップ
といった意図でした。
でも受け止める側には、上記のような大きなプレッシャーだったんですね。
オープニングで、参加者の皆さんのこの研修に対する期待や不安を
書きだしていただいたのですが、
他にも不安な気持ちを書いている人が何人もいらっしゃいました。
指名されて答えられないと嫌だな・・・
前回の内容を実践できてないかも・・・
などなど、
Aさんの言葉を聞いた後に改めてコメントを読むと、
なるほど、そういう心理だったわけですね!
と、皆さんの書いてくださった内容がとてもよく理解できました。
私たちの『参加者主体』の研修手法では、
突然の指名などで、覚えていないことを指摘されて他の参加者の前で恥をかく、
というシチュエーションは起きません。
思い出していただくことが目的であれば、恥をかいたりしない方法で思い出していただきます。
嫌な緊張感は、記憶への定着を阻害するからです。
それ自体は貫いている考えに基づいているので、自信を持っていますが、
参加する側には、そんな不安な気持ちを持っている人がいらっしゃるんだ、と、
改めてそれに気づかせてくださったAさんに、心から感謝しています。
今後、フォローアップ研修を行う機会があったら、
事前に発信するメッセージ、研修のオープニングの内容をさらに工夫して、
皆さんが安心して学べる環境作りに役立てます!
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