ボブ・パイク・グループ カンファレンス 2012 参加報告
2012年9月12日~14日、ミネアポリスで開催されている、
ボブ・パイク・グループのカンファレンスに参加しています。
今年で19回目の開催です。
ということで、何やら楽しげなテーブルセッティングで、
オープニングの基調講演が始まりました。
今年は、ボブ・パイク・グループのVPでもあり、
ボブの娘でもある、ベッキーの基調講演でした。
「質問」が持つパワーについて、深く考察させられる場面もあり、
一方でゲーミフィケーションを取り入れた楽しめる要素も満載の、
とてもベッキーらしい講演でした。
ちなみに・・・ 男性vs女性でゲームをしたのですが、女性チームの勝利!!
画面は、ボブに似たキャラクターのお城が壊れている場面です。
約30のセッション、基調講演が2回、ネットワーキングのイベントが2回と、
とても盛りだくさんの内容です。
2006年に初めて参加して以来、今年で7回目の参加になりますが、
毎回、多くの新しい発見、気づき、学びがあり、
とてもとても充実した3日間です。
日本で開催している『トレーナー養成ワークショップ』、およびその『実践編』を
こう進化させよう!!、あるいは、
その他の内容の研修に、この手法使える!など、
アイデアと発見の連続です。
ボブ・パイク・グループのトレーナーが勢ぞろいしているので、
その内容自体からの学びが多いのは当然なのですが、
セッションの構成も、ファシリテーションン仕方も、
すべてが『参加者主体』の手法のお手本そのものです。
例えば、ボブのセッションで、
「この42年の経験から学んだこと トップ10」というセッションがありました。
「トップ10」というからには、シェアしたいことが10あるわけです。
ですが、その10を、1つ目はxxxx、2つ目はxxxx、と順番に説明していくような
そんな退屈な構成になっているわけがありません。
グループを作って、タスクがあって、話し合って・・・
いったい何が始まったんだ?と思いつつ、
カンファレンスで学んだことをシェアしたり、
ボブとのQ&Aがあったり・・・
と、充実した時間が数十分。
ふと振り返ると、その数十分に、
「グループダイナミックスを最大限に活用する」
「リビジットが鍵」
「人は自分が言ったことは受け入れやすい」
など、ボブが用意していた、伝えたかった10のポイントが、
見事に実践されていたのです。
そこで初めて、「つまり自分が伝えたかったのはこういうことだ」と解説。
ボブのセッションだけではなく、すべてのセッションがそうなのです。
内容に関してもノートを取りたいし、
構成やファシリテーションの仕方もノート取りたいし、
でもグループディスカッションや何かのワークをすることも多いし、
各90分のセッションでは、本当に忙しいです(笑)!!
ボブ自身が昔、上司から言われたことでとても傷ついたことがある、
というエピソードを話してくれました。
「上司が言ったこと(内容=WHAT)は、確かに、正しい。
でも、そのフィードバックをした状況、言い方(=HOW)、は、間違っていた。」
「人は WHATに対してより、HOWに対して怒ったり、傷ついたりする」
確かにそうですよね。
コミュニケーションスキルの研修を行うこともよくありますが、
何を伝えるかも大事ですが、
どう伝えるか、で、大きく変わってくるものですよね。
では、研修ではどうでしょう。
研修で、自分が教える立場になったとき、
WHAT=何を教えるか、は、とても綿密に計画を立てるけれど、
HOW=どう教えるか、は、あまり大事にされてないのではないでしょうか。
研修も、いわゆるコミュニケーション同様、HOWが大きな違いを生みます。
研修のHOWは、伝え方だけではなく、
構成(インストラクショナルデザイン)、と、ファシリテーションです。
そして、その違いこそが、ボブの『参加者主体』の手法がもたらすものだと確信しています。
そして、参加者の一人が今日言っていました。
「ボブ・パイク・グループのトレーナーたちは、great peopleばっかりだ。
彼らが私の会社の社員だったらいいのに・・・」
新しいテクニック(内容)を学ぶことはもちろん楽しいのですが、
このカンファレンスにはそれ以上のモノがあります。
ふとしたボブの言葉に、感動する瞬間が何度もあります。
ボブ以外のトレーナーたちからも、同じエネルギーを感じます。
そして、私はこれを日本でシェアするのがミッションです!
最後になりますが、お礼とご報告です。
今回、2012 International Licensee of the Year というアワードをいただきました。
アメリカ以外の5か国で、ボブのプログラムが展開されています。
(+2か国が認定のプロセス進行中)
その海外の提携パートナーの中で、今年の貢献を認められ、いただいた賞です。
『The Bob Pike Group プロフェッショナルトレーナー認定プログラム:トレーニングデリバリー』
に日本で16名の方が合格なさっています。
その16名の方の貢献もたたえられました!
皆様からのご支援があってこそ受賞できたものです。
心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
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