ASTD 2013 @ Dallas, Day 4, May 22
ASTDのカンファレンス、4日目=最終日、終了しました~!!
今朝のスタートは、Robert Vaughn氏のセッションで、
テーマは、大学での教え方とビジネスの世界での教え方の共通点は、違いは?
教えるときの注意点は?というものでした。
ボブ・パイクの参加者主体の手法は、
主に「おとな」を対象に開発され、実績も圧倒的に企業での実績が多いです。
が、小学校・中学校の先生向けに作られたプログラムもあり、
イリノイ州では教員免許の更新のために受けるプログラムとして提供をしています。
基本的に、高校生までは「こども」、大学生以上は「おとな」と位置付けていて、
日本でも、大学で教えている先生方や、ファカルティディベロップメントに携わっている先生方に
ブートキャンプ(トレーナー養成ワークショップ)に多数ご参加いただき、
授業や講座で実践していただいています。
私自身も昨年、今年、と学会で発表する機会をいただいたりもしています。
そんな流れがあり、このテーマにとても興味を持ち、参加してました。
企業での研修と、大学の授業では何が異なるのか?
理解しているつもりでしたが、とてもすっきりと頭の整理ができました。
教え方の比較は、帰納的か、演繹的か、に大きく分けて議論されていました。
内容の観点で比較し、どんなときにどう使い分けるのか?を検討。
さらに、要する時間(準備、当日)、教える側に求められるスキル、などの比較検討。
企業研修で社会人を対象にする場合と、大学で学生を対象にする場合、
様々な観点からの違いはあるものの、教え方の比較においては共通することも多く、
これまで、私が大学の先生方にお聞きしていたことと大きな相違なく、
いろんな意味で、整理できた、というか、納得が深まった時間となりました。
次に向かったのは、アートを使った学び。
楽器を演奏する、歌う、絵を描く、などの体験を通じて、気づきや学びを得るものです。
参考サイト↓
http://www.mccollcenter.org/
クリエイティビティを刺激するのはもちろんなのですが、
不安な気持ちを体験する
自分にとって居心地の良い状態ではない状況を体験する
殻を破る
楽しむ
新しいことに挑戦する
リスクを取る
という経験を創りだすことになります。
リーダーシップ、チームワーク、問題解決、カスタマーサービス、変革推進、
などに主に活用しているそうですが、
技術的なスキルを学ぶ場面にも活用できるのではないか、と、
広がりの可能性を感じる議論でした。
セッションの中での演習で、相手の顔を見て、手元を見ずに、
一筆書き(ペンを紙から話さない)で描いた似顔絵がコチラ↓
もっと芸術的な(笑)他の方の作品例がこちら↓
そして、クロージングの基調講演前の、最後のセッション。
シメはやっぱり、この方ですね。
他のセッションも検討はしたのですが、 やはりボブ・パイク氏のセッションに向かいました。
人気スピーカーは、カンファレンス期間内に、同じ2回セッションがあります。
ボブもその一人なので、内容は一昨日と同じ。
参加者主体の研修手法のコアの部分を体験、 その体験の中で、
理論や手法の模範を見せ、後に解説、という流れ。
この、「経験→気づき→理論」という流れの組み立ては、
ボブの手法の中でも重要なもののひとつです。
今回、いろいろな人のセッションに出て、改めてこのメリットを実感しました。
ちなみにこの流れになっていないセッションの組み立てでは、こんなものが多いです。
まずスピーカーの自己紹介からスタート。
その後、今日のトピックの概要や、目的を伝える。
なぜ今このトピックなのか?時代背景、理論の発展の背景、などを話す。
その後、本題を展開する。 途中で少しディスカッションや、何かを体験するワークが入る。
この流れでいくと、「なぜ今ことトピックなのか」のところで、
「変化の時代」「クリエイティビティが求められる時代」・・・ のような話が出てくるわけです。
いろんなセッションで少しずつ言葉や切り口は違いますが、何度も・・・なわけです。
そうすると、時差と闘っている身としては、どうしてもエネルギーレベルが・・・・・
もちろん、そうではない組み立てのセッションも多くありました、が、
やはり、「内容」の充実と同じくらい「組み立て」や、
プレゼンテーション・ファシリテーションのスキルも大事だと強く実感しました。
ボブのセッションでは、途中、ボブの体験談に心を動かされた数百名の観客から、
自然と拍手が沸き起こったりして・・・
一昨日同じ話を聞いたにも関わらず、同じところで笑い、
この場を共有できている幸せをかみしめながら、座っていました。
See you in September in Minneapolis !! と別れを惜しみ、
(ボブ・パイク・グループのカンファレンスに参加する予定なので。)
http://www.bobpikegroup.com/workshop/for-designers/view/76
いよいよクロージングの基調講演へ。
今日は、Liz Wiseman氏の
こちらの著書のテーマでもある Multiplierというのがテーマです。
http://www.amazon.com/Multipliers-Best-Leaders-Everyone-Smarter/dp/0061964395/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1369353126&sr=8-1&keywords=multipliers
何とも日本語にしにくい言葉なのですが、
他の人に対して、倍増効果的な影響を及ぼし、 周りの人の能力を大きく伸ばす人、
というニュアンスでしょうか。
逆はDeminisher。
こちらは、人がせっかく持っている才能や能力をつぶしてしまうような人。
MultiplierとDeminisherを対比しながら、 それぞれの特徴的な態度や行動を紹介。
Deminisherは、
心配だからつい口出しする、
いろんなアイデアを出すことが得意なのでついそれを伝えてしまう、
などによって、相手を考える機会を奪っている、など、わかりやすい分析と事例。
基調講演のスピーカーにしては、とてもめずらしいのですが、
途中、ステージから降りて、オーディエンスを巻き込んでの
とてもダイナミックなファシリテーションでした。
「人を育てる」ということに関わる私たちに、 とても力強いメッセージの講演でした。
いつも最終日にグローバルビレッジに掲示される、参加者数。
全体では、昨年の8,000人に対し、今年は9,000人。
海外からの参加者は、やはり今年も韓国が一位でした。
トップ6までの国は昨年と同じ国が同じ順序ですねー。
毎回のことながら、膨大な数のセッションで、膨大な情報があふれる4日間。
とても全部を把握することなんて不可能ですが、
(像のどこを触るかで、何と捉えるかが違うという話ありますよね。そんな感じかもしれません。)
自分の学びたいテーマ、もっと知りたいトピック、 そして、「この人の話を聞きたい」と思う人、に没頭できる貴重な4日間。
「情報を得る」というだけのためであれば、
今の時代、わざわざ参加しなくても、 方法はいくらでもあります。
「情報」だけではない大きな収穫や刺激をいっぱい受けて、
今年も充実した時間を過ごせました。
すごいライトアップです・・・
来年は、5月4日~7日まで、ワシントンDCです!
http://www.astd.org/Events/International-Conference-and-Exposition
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