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「一度しか言わないからよく聞いて」が間違いな理由

 「一度しか言わないから、よく聞いてください」
というセリフを聞いたことはありますか?

上司や先輩が、
「これから大事なことを言うので、注意して聞いて覚えてくださいね」
という意味で言うこの言葉、一度や二度、聞いたことはありますよね。

実はこれ、いろんな意味で理にかなっていません。

まず、エビングハウスの忘却曲線の観点から。
一度聞いただけの情報は、30日経つと90%以上忘れます。
大事なことを覚えるには繰り返す必要があるのです。

また、大事なことは、聞くだけより、メモを取った方が良いですね。
この言い方はメモを取ることを促進しているようには聞こえません。

さらに、脳の働きの観点から。
嫌な意味での緊張感が高い状態では、脳はその緊張状態から逃れることに
エネルギーを使います。そのため、記憶する能力が下がります。
覚えてほしいから言っているとしても、
脳には逆のプレッシャーを与えていることになるのです。

最後に、こう言われてしまったら、
この後、疑問や確認したことがでてきても、質問しにくいですよね。

というように、いろんな意味で理にかなっていないのです。
でも、そうとは知らずに、逆に効果があると思って使っている人は、
残念ながら少なくないと思います。

「教える方法」をきちんと学んだことがなく、
このように「良かれと思ってやっていることが、実は逆効果」という例は
他にもたくさんあるように思います。

仕事ができることと、教えることは、別のスキルセットが必要です。
「教える」という立場に立ったら、「教え方」を基礎から学ぶことが当たり前・・・
になるために、活動を続けます。
非効率、逆効果な教え方撲滅のためにまだまだやれることがありそうですね。

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