グローバル vs ローカル
先ほどアップしたブログ、「具体的なスキル vs 原理原則」に続き、
今度はグローバルとローカルについての考察です。
私自身、会社員時代はずっと外資系で仕事をしていましたし、
今も外資系のクライアント様とお仕事する機会も多いので、
「グローバルで統一した」何かを行うことに関わった経験も多くあります。
統一したものではローカルのニーズに合わないから、
ローカルのニーズに合うものを個別に・・・という選択肢もあります。
どちらが良い・悪いと簡単に言えることではありませんが、
残念ながら失敗している事例を目にすることも多いのも事実です。
これも、「具体的なスキル vs 原理原則」があてはまる面が大きいのではないでしょうか。
https://www.d-hc.com/blog/2014/07/2383
原理原則をグローバルで共有し、統一することは大切。
でも具体的なスキルや細かいオペレーションはローカルに自由度を持たせる、というような・・・。
外資系企業だと、グローバルの本社が作った研修プログラムを
全世界でロールアウトする、ということも多いかと思います。
その際、基本的には全世界で同じ内容を研修するのだと思いますが、
「これは日本の現状に合わないなぁ」と感じることがあった場合、
皆さんはどう対応していますか?
日本の現状に合わない、と思う点があるのは自然なことだと思います。
世界中の人にぴったり合うものを作るなんて現実的ではないでしょうから。
そうした状況で、良くないのは、担当の方が
「日本のことをわかってくれていない」
「こんなの役に立たない」
というようなネガティブなコメントをしてしまうことではないでしょうか。
そこからは何も生まれませんし、研修を受ける方にはさらにマイナスです。
可能であれば事前に交渉しニーズに近いものにしてもらっておく。
それが無理な状況であれば、
受け取ったものから、どこの国・地方でも統一したい「原理原則」を見極め、
そこは変えることなくしっかり伝える。
その「原理原則」を守った上で、具体的なスキルやオペレーションとしては何が適切かを考え、導く、
ということが必要なのではないでしょうか。
一方で、グローバルで統一した「方法」を実践した方が良いものもあります。
例えば、私が以前働いていた会社では、
社内のコミュニケーションの方法を明確に定義していました。
世界中の100数十か国でビジネスを行っているので、
それぞれの国の文化やコミュニケーションのスタイルは多岐多様なのですが、
スポーツのゲームが世界統一であるように、コミュニケーションのルールを統一した、というイメージです。
その方法を統一することで、効率が良くなり、ミスや誤解が減るという大きなメリットがあります。
反面、ある国の人にとってはまったく自国文化とはまったく異なるコミュニケーションスタイルを
求められるといったこともあり、適応が大変だということもあります。
いずれのケースにおいても、目的を見失わないことが大切ですね。
「グローバルに統一したモノをロールアウトする」こと自体が目的ではないはずですので。
数年前、ボブ・パイクの手法を日本に導入するにあたり、同じようなことを考えました。
結論としては、人はどのように学ぶかという「原理原則」は、
脳科学や心理学などをもとにしている理論なので、
アメリカ人も日本人の根本から異なることはない!
ただ、ファシリテーションの面などで、少し日本では事情が異なる場合もあるかな・・・
というものでした。
結果、日本向けに「カスタマイズ」が必要だったのは、
おそらく全体から見ると数パーセントの割合だったように思います。
グローバル vs ローカル。
なかなか簡単には答えが見つからない課題ですよね。
そうですね、理論、アプローチ、原則はグローバルで統一し、詳細はある程度ローカルに裁量を持たせる、のは重要ですし、効果的です。実際、毎年グローバル企業のグローバルプログラムをリージョナルやローカルで実行するお手伝いをファシリテーターとして行っていますが、多くの企業のグローバル(本部)から言われているのは、80-20で基本8割はそのままで、Max2割までローカルで修正できるということです。
松井さん、ありがとうございます!
全部統一、あるいは、まったく使えない、という発展性のない議論にならず、統一するものとしないもの、8:2の見極めが大切ですね!