EATは本当に大切!
EAT ー Experience(経験)、Awareness(気づき)、Theory(理論)です。
研修は必ずしも理論から入る必要があるわけでもなく、EATの順、つまり最初に体験したり、過去の経験を引き出すことから始めることも可能だし、有効というボブ・パイクの理論の一つです。
最近、社内研修のデザインの作成や改訂のお手伝いをすることが多いのですが、そうした取り組みの中でこのEATの理論を取り入れることの重要性を改めて実感する機会が多くなっています。
これまでのスタイルとは異なる新しいスタイルを研修で学んでもらい、それを職場で実践してほしい、という趣旨の研修。例えば、部下育成・指導、コーチング、営業スキルなどです。研修に参加する人は、「こんな指導を上司から受けたことはないかもしれない。でも時代のニーズは今このスタイルです。これをぜひ実践していきましょう!」ということになるわけです。
それを実践する立場としての学びの前に、実践される側、つまり、部下、コーチングを受ける人、何かを購入する立場、で、まずその「新しいスタイル」を体感する必要があります。疑似体験でもかまいません。例えば、講師が上司役、研修参加者が部下役になって、新旧のスタイルで部下指導のロールプレイを行い、その違いを感じてもらう、というような疑似体験が考えられます。EATの順でデザインするので、最初にその疑似体験があり、その体験からの気づきを整理した後に、理論を解説するという流れになります。疑似体験で、新しいスタイルのメリットを実感してもらえると、それを習得する意欲につながるでしょう。ですが、その体験がないまま、T(理論)から入る流れでデザインすると、いくらその理論を説明されたり、映像を見せられたりしても、実感がわかないのではないでしょうか。また、純粋に、「見たことがないもの」は言葉で説明されてもピンとこないものです。
オーロラを見てみたい、というのは私のバケットリストの一つですが、こういうのも写真や映像で見るのと、実際に自分の目でその場所で見るという体験は、同じではないですよね。
弊社のご提供する講師養成講座は、どの講座でもEATをとても重視しています。ですので、参加者としてのボブ・パイクの手法を体験していただき、参加する側がどう感じるか、どう効果的なのかを体験していただき、そこから理論や手法を学んでいただく流れでデザインされています。皆様の研修にもぜひ取り入れていただきたい理論の一つです。
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