1. HOME
  2. ブログ
  3. 施策の前にビジョン

施策の前にビジョン

前回のブログでは、カフェを開業するに至った背景を記しました。今回は、カフェを設計するプロセスからの学びについて、記します。

コンセプトを決めたら、次は店舗の設計・・なのですが、私自身、自分が店を経営・運営することになる日がくるとはまったく想像もしていなかったので、どこから手を付ければよいのか、どこに問い合わせればよいのか、全然イメージができませんでした。

検索してなんとなく目についたのが、相見積もりを取ることができるサイトでした。複数の業者さんから設計・施工の提案をいただけるというサービスです。これまで本業では、クライアント様が複数の研修会社から提案をもらい、最適な会社に依頼する、という逆の立場では何度も経験しているプロセスです。早速問い合わせをし、2社とお会いすることになりました。

店のコンセプトや私の希望のイメージなどをお伝えしました。が、どうも話がかみ合いません。

テーブル数は?席数は?
壁はどんな色や素材がよい?
天井と床は?
と次々に質問されるのですが、私はまったく答えることができずにいました。

極めつけは、どこにレジカウンターを作りたいのか?という質問でした。
「え?それを設計して提案していただけるんじゃないんですか??」

カフェのコンセプトを今一度お伝えし、これを実現する場を設計してほしいと再度説明したところ、
「そんな抽象的なことを言われても困る。もっと具体的に施工内容を依頼してもらえますか?」とのご返答でした。

お会いした2社様は、施工業者さんであって、設計をしてくださる方ではなかったのでした。そもそも私が、設計士さん、デザイン会社、と言われる方々にご連絡すべきだったのですが、お恥ずかしながら、そこをきちんと理解していませんでした。でも世の中には、お店の設計ナシに、施工されることも多いということなのですよね。

この2社の施工業者さんとの対話を通して、考えたことは、人事制度や人材開発の制度設計についてです。

そもそも、この会社、この組織はどうありたいのか?ビジョンや戦略があり、それを実現するための人事制度や人材開発体系などを構築するのが筋です。カフェで言えば、お店のコンセプトがあり、それを実現する場を設計し、設計に基づいて施工する、という流れです。

ですが、現実には、他社事例を参考に自社に取り入れる、研修会社やコンサルタントの方からの提案を聞いて良さそうなものを取り入れる、ということも、多々あるのではないでしょうか。あるいは、組織のビジョンや目的が明確ではない中で、福利厚生プログラムだけが決まっている・・。それはもしかすると、コンセプトや設計抜きに、施工業者さんに壁の色を伝えて作業してもらうのと同じことではないでしょうか。ステキに見えるお店の壁や天井だけを真似したり、全体のコンセプトがあいまいな中の椅子選びのようなものかもしれません。

設計をどこにお願いすればよいのか・・・?困った私は、マーケティングのMIさんに相談しました。すると、「カフェに限定せず、中村さんが好きなお店に、設計をどこに依頼したかを聞いて紹介してもらったらどう?」とのアドバイスをいただき、早速実行しました。そこでご紹介いただいた方が、MACOA cafeの設計をしてくださった設計士さんです。

新しい物件に出会い、即決はしたものの、トリミングサロン併設のドッグカフェを設計するにあたり、私とトリマーKIさんは、どこに犬用のシャンプースペースを作ればよいのか?どうすれば保健所から飲食店の営業許可が出る構造にできるのかが全く思いつきませんでした。ですが、その設計士さんに店舗を見ていただいたところ、ものの1分で、ここにこれを作って、ああしてこうして、と解決策を提案してくださいました。さすが、プロ・・・。

その後も、お店のコンセプトをしっかりとヒアリングしてくださり、ニーズの深掘り、予算など制限事項の確認、と、とても安心感のあるミーティングを重ねることができました。かくして、MACOA cafeの設計が完成し、改装工事がスタートしました。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

Features ~主なご支援内容~

2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

最新の記事

月を選択