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思い込みの排除

「モチベーションの低い人」に、どう対応すればいいのか。
研修講師や、部下を持つ上司の方に、
聞かれることが多い質問です。

対策を考える前に、こんな視点で事実を見なおしてみませんか?

誰かの言動を目にしたとき、
その言動から、無意識のうちに相手についての判断をしてしまいがちです。

例えば、会議や研修中に、下記のような言動を見ると、
「興味がない」「やる気がない」と、つい思ってしまいませんか?

まったく発言しない
提案をしても、否定的な反応しか返ってこない
あくびをしている(がまんしているのがわかる)
意見を聞いても、「特にありません」としか言わない
会議の議題とは別件でノートに何か書いている
研修中にノートを取らない
窓の外に視線を向けている
遅刻した

などなど・・・・。

ここで、明確に区別しなくてはいけないのは、
「事実」と、「受ける印象」や「自分の判断」です。

「事実」としては、「窓の外に視線を向けている」。
そこから、
「他のことを考えているのではないか」、という推測をし、
「やる気がなさそうに見える」、という判断をしている、ということなのです。

「遅刻した」も、同様です。
「事実」として知っているのは、「5分遅れた」ということだけです。
でも聞いてみるまでは、その理由や真相はわかりません。

実際、以前にこんな方がいらっしゃいました。

ある研修で、30分くらい遅れて到着した参加者がいらっしゃいました。
到着した時点から研修に参加していただきました。

休み時間に、「どうなさいましたか?大丈夫ですか?」と
声をおかけしたところ、
前日から降っていた雪の影響で、がんばったけど、間に合わなかった、
とのことでした。

実際、雪で交通機関に大きな影響が出ていました。
たまたま前日は仕事で車で外出していて、外出先からご自宅まで、
戻るのに4時間かかったとのこと。

今朝も電車が遅れているのはわかっていたし、
研修に遅れたくなかったので、
いつもより2時間早く自宅を出たけれども、間に合いませんでした、
と申し訳なさそうに話してくださいました。

遅れたことは事実ですが、
前日に4時間かかり、今朝も大変な思いをしてやっと到着した方に、
「遅刻した=やる気がない」という勝手な判断をしなくて、
本当によかった、と感じました。

相手に対して、印象や自分の思い込みの判断で接してしまうと、
それは相手にも伝わります。

「信頼されていない」

そうなると、相手からの信頼も得られず、
質問しても、本当のことを話してくれなくなる可能性が高まります。

「どうせ言っても、わかってくれない」

そうならないために、
まずは自分の思い込みを排除し、
ニュートラルな気持ちで、相手を理解しようとすることから始めませんか。

そうすれば、

「やりにくい相手」
「モチベーションが低い人」
「やる気がない人」

と感じている相手が、実はそうではないことがわかることも珍しくありません。

「対策」を考える前に、まずは自分から!です。

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