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ハイコンテクスト対ローコンテクスト

異文化コミュニケーションにおいて重要なコンセプトの一つ、
ハイコンテクスト High Context、ローコンテクスト Low Context。
お聞きになったことがある用語でしょうか?

コンテクストというのは、文脈や背景のことを指します。
コミュニケーションの観点では、言葉以外の手段での意思疎通ということになります。
ということは、ハイコンテクストというのは、言葉で表現されない部分の
割合がHigh=多い、ということですので、日本語でよく言う、
文脈から判断、状況を察する、空気を読む、行間を読む、あうんの呼吸、
というようなことをイメージしていただくとわかりやすいと思います。

それに対して、ローコンテクストは、
言葉にされていることを重視するコミュニケーションのスタイルです。
相手が文脈を読むことを期待するのではなく、
お互いがわかりやすい言葉にして伝えあおう、理解しあおうというものです。

過去の経緯、文化的背景、価値観、共有している情報などが多ければ多いほど、
ハイコンテクストのコミュニケーションが成立しえます。
ですが、そういった基盤が少なければ、
言葉にして表現することで誤解をなくすことが必要なのです。

日本語はハイコンテクストな言語ですし、
日本では、ハイコンテクストなコミュニケーションの方が上位のような印象を持つ方も
多いと推察できますが、
広く世界の文化を見ると必ずしもそうではありません。

最近感じるのは、
日本の中でも、以前のようなハイコンテクストのコミュニケーションに頼っていては
意思疎通がうまくいかない場面が増えているのではないか、ということです。

よく耳にするのが、世代の違い。
上司と部下、先輩と後輩のコミュニケーションにおいて、
価値観、受けてきた教育、その世代の常識、ものの考え方などが異なっている。

となると・・・
共有している情報が少ないということになり、
コミュニケーションのスタイルをお互いがローコンテクストにしないと、
理解しあえない部分が大きくなる、ということになります。

積極性を持って行動してほしい
常に改善、改革を意識した提案を期待する
もっと戦略的に動こう
XXの社員としてふさわしい行動
XXブランドの名にふさわしい行動

・・・これらはとてもハイコンテクストな表現です。
誰かに期待を伝えるとき、こういった表現をローコンテクストに変えてみてください。
具体的にどんな言動を期待しているのか、
逆にどんな言動は外れいてると思うのか、を言葉にするのです。

ハイコンテクストなコミュニケーションで伝わらない相手に対して、
わかってない・・・ などと嘆く前に、
お互いのコミュニケーションをローコンテクストにすることで解決できるこがたくさんあるはず。

それはどちらが上位とか、洗練されたスタイルかということではなく、
違いを受け入れて、お互いがうまくやっていくためのコミュニケーションのスキルなのです。
ダイバーシティ、ですね。

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