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中途半端な対面より、しっかりデザインしたオンラインを!

2月初旬、1年以上ぶりの対面での公開講座を予定していました。
昨年秋から年末にかけて、状況が落ち着いていたため、今度こそ開催できる!と思っていたのもつかの間・・・ 1月に入って状況が急変したため、対面は断念、でももうこれ以上延期してお待たせしたくなかったため、オンライン開催に切り替えることにしました。

対面の研修のスキルを対面で学びたい、というご意向でお申込みいただき、中には1年以上お待ちいただいている方もいらっしゃいました。そのご希望に添えないことは本当に無念だったのですが、私の中で「中途半端な対面の研修を行うより、もっと価値のあるオンライン研修をご提供したい、いや、できるはず」という気持ちが強くなったため、その考えを皆様にご説明し、ご理解をあおぎました。

中途半端な対面の研修・・・とは、
感染防止対策が優先課題となり、本来対面の研修で得られる効果を犠牲にするような運用です。

例えば、
〇 対話はアクリル板越しなのはもちろん、それもグループではなくペアに限定する。
〇 そのためグループワークは行わない。
〇 グループワークを行う判断をした場合でも、文房具や道具などの共有を避けたいので、口頭で話すのみ。
〇 昼休みを含む休憩時間中も、基本的に他の人と対話しない。
〇 参加者からの発言は、大きな声を出さなようにするため、マイクを使用する。
  そのマイクは係りの人が挙手した人のところに持って走る。
〇 講師は参加者との距離を保つ必要があるため、演台から離れてはいけない。
などなど・・です。

こうした運営を行うのは、主催者側、参加者側、どちらにとってもストレスです。そして、そのストレスの中運営しても、それでも不安に思う人がなくなりはしないのです。

研修の場が、「安心安全」であることの大切さは以前から認識していましたが、従来は基本的には心理的な面を考えていました。ですが、今は感染予防という観点での「安心安全」が求められていて、それは物理的、心理的の両面から求められます。残念ながら、上記のようなストレスのかかる運営で物理的に可能な限りの対策を講じたとしても、心理的安全を確保できるとは言い難いのが現実です。

しかも、こんなに制限だらけの中で行う対面の研修は、参加者同士の対話から生み出されるアウトプットや学びあいの効果という、本来の対面の研修で得られるべき効果が激減します。それならば、そもそも対面で集合する必要があるでしょうか?

そう考え、上記のような決断に至りました。とはいえ、ただ単に予定していた研修をオンライン上で行うということではありません。もともとの研修内容はできるだけ維持しつつ、オンライン研修に向いたブレンディッドラーニングのデザインへと、大きく変更を加えました。「オンラインだからこれくらいしかできない」「オンラインになっちゃったから仕方ない」という気持ちを持っていただきたくなかったので、今できる私たちのベストをご提供しよう、と思ったのでした。

ご参加いただいた皆様からはとてもポジティブなフィードバックをいただき、正直とても安堵しました。長らくお待たせしてしまっていた大きな気がかりから解放された気がしていましたが、さらに、ある参加者の方から、後日こんなメッセージをいただきました。

「はじめに、新型コロナ禍研修開催に際し様々な検討と修正を加え、今回のように開催いただきましたダイナミック ヒューマンキャピタルの 中村代表、 足立さま、田中さま、この時期にON LINE 開催に踏み切られたご慧眼に謝意を表します。技術は進化し、このような環境下でも初期の目標を達成できるツールがあるということを再認識できました。」

心理的な不安を抱えながらの中途半端な対面研修を行わなくて、本当に良かった!と、とても嬉しく思いました。この2年間、オンラインでの経験を積み重ねてきたことを生かせたことも嬉しかったです。そしてやっぱり・・・、不安を感じることなく、対面の研修を再開できる日を心待ちにしています。

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